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古物商の申請

 インターネットで古物商の資格申請の情報を集めてみると、前科がなく通常の生活をしていれば特別問題なく資格がとれる事が分かった。それにしても、いとも簡単に情報を取ることができるインターネットというのは、つくづく便利な道具だと感心してしまう。古物商の申請と書き込んだだけで、その取得方法から、絶対もうかる方法教えますとか、古物商のメルマガの売り込み、その取得の代理を商売にしようとする行政書士の広告まで、さまざまな業種の情報がなだれ込んでくるのだから実に面白い。

 当たり前のことだが、本当に儲かる話など絶対にない。まして赤の他人などに教えるはずがないではないか。どうしてこんな簡単な広告にコロコロとだまされてしまうのだろう。私もカモの一人にならないよう気を引き締めなくてはいけないだろう。

 古物商の申請に必要な書類をダウンロードして記入し、住民票と身分証明書は住民課から手に入れ、法務局には返信用の封筒を同封して、身分証明書を送ってもらうことにした。あとは警察に行って書類を提出し、申請料の19000円を払うだけだ。たったこれだけの事なのに行政書士に依頼すると3万円も請求されるらしかった。ネット上に行政書士の広告が群がるだけあって、簡単でおいしい仕事なのかもしれない。

 警察署の生活安全課にあらかじめ古物商の申請にいくと連絡を入れてから、MTBに乗って警察署に向かった。刑事課と生活安全課のある2階に上ると、あたりはたばこの臭いでむっとしていた。出来るだけ明るい声で挨拶し、先ほど電話した者であることを告げると入口付近にいたおばちゃんに正面の椅子に座って待つようにと指示された。しばらく待たされ退屈してきた頃やっと机に座ったのは、先ほどのおばちゃんだった。用意してきた申請書を差し出すとおばちゃんは書類を一瞥しただけで、私に古物商の仕事をどれ位してるのかなどと聞いてきたのだ。まだ資格を持っていないのでこれからやってみるつもりであると答えると、この資格は趣味で取るような資格とは違うから面白半分で申請してもらっても困る。そんな事を長々と話しだしたのだ。どうも古物商の資格を与えたくないような口ぶりだった。申請に関する説明などまったく教えてもくれないのだ。最後に「今日は担当者がいないので、明後日にまた電話をしてから来るように」 おばちゃんはそう言うなり席を立ったのだ。

 さんざん待たせてお説教じみた話を聞かせ挙句の果てに担当者がいないからまた来いというのだ。冗談じゃない、それだったら最初に電話をした時に担当者がいないと教えてくれればいいではないか。担当者がいない事をいいことに、民間人にいばってみたかったとしか思えない。本当にたちが悪いとしか言いようがない、怒りで頭の中が爆発しそうだったが、平静をよそおい警察署を後にした。

 二日後、生活安全課に担当者のいることを確認してから再び警察署に出かけた。今度は外のベンチで待つように言われ外に出ると、フィリピン人らしいお姉ちゃんとその子供が脇のベンチで寝ていた。朝からただならぬ状況であるらしく、部屋の中で何やらもめているような話声が聞こえ、関係者らしい男女が出たり入ったりしていた。

 しばらく待たされはしたが、部屋に入ると担当者と思われる男性が正面の席に腰かけていた。椅子に腰を下ろしあたりを見渡すと、先日私にお説教したおばちゃんが知らん顔して座っているのが見えた。ゆっくりと書類に目を通した担当者が、私の店があった地区で2年の間交番勤務していたことを話し出したのだ。当時お世話になったなんとかさんはお元気ですかとか、当時はどうだったとか、昔を思い出しながら次々と懐かしそうに問いかけてきたのだった。思いもかけない展開の会話に戸惑ってしまい、曖昧な返事で受け答えることしか出来なかった。古物商の資格は特に問題なければ約40日後に許可されることと、最寄りの交番から身元確認のため、前もって電話してから警察官が自宅に行くことを話し、申請はあっけなく終わった。

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